桜が印象的な映画9選

全国で桜の開花が進んでいますが、コロナ禍だと以前のような形でのお花見は難しいですよね。
ただ、まったく桜を見ずに春が終わってしまうのはもったいない!

そんなときは、映画で桜を見てみませんか?
今回は自宅で楽しめる桜が印象的な映画を紹介していきます。

桜が印象的な映画リスト

  1. 「博士の愛した数式」
  2. 「花とアリス」
  3. 「花とアリス殺人事件」
  4. 「君の膵臓をたべたい」
  5. 「まく子」
  6. 「秒速5センチメートル」
  7. 「あん」
  8. 「雷桜」
  9. 「彼が本気で編むときは、」

映画のあらすじ、感想とともに、作中の桜を見られる主なロケ地も紹介していくので、ゆっくりお花見ができるようになったら桜の季節にロケ地巡りをしてみるのも良いかもしれませんね。

1. 博士の愛した数式

博士の愛した数式のDVDジャケット

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「博士の愛した数式」のあらすじ

シングルマザーの杏子(深津絵里)は家政婦として働いていた。
そんな杏子が担当することになったのは、10年間で9人も家政婦が代わった少し厄介な顧客。

その顧客は博士(寺尾聰)と呼ばれる、記憶障害をもった男だった。
大学の数学研究所への就職が決まっていた矢先で事故にあい、それ以降記憶が80分しかもたなくなったため、一人で生活するのが難しくなったようだ。

杏子は、そんな博士の面倒をみているとある日、博士が息子も家に連れてくるように言い出す。
杏子が10歳の息子をひとり家に追いて、自分の元に来ていると知ったからだ。

「息子はもう小さくないから大丈夫」だと言うが、強引に押し切られてしまう。

博士に言われて息子(斎藤隆成)連れてくると、息子をルート(√)と呼びはじめた。頭が平らな様子がルートに似ているらしい。

杏子と息子のルートは、数学を通して博士と徐々に親交を深めていく。

そしてある日、ルートは博士を少年野球の応援に来てくれるように頼んだ。

博士はルートの頼みに応じたが、普段外に出ないため、応援に行った日の夜に熱を出してしまう。
杏子は看病のためにルートと一緒に離れに泊まるのだが、翌朝、彼女はこれまでに見たことのない博士の姿を見るのだった…。

作品情報
監督 小泉堯史
出演 寺尾聰、深津絵里、斎藤隆成、吉岡秀隆、浅丘ルリ子
映画公開日 2006年1月21日
主なロケ地 上田城跡公園(長野県)

「博士の愛した数式」の感想

小川洋子さんの同名小説を映画化したこの作品は有名なので知っている人も多いと思います。

「数式」と聞くだけで頭が痛くなる人もいるかもしれませんね。
私もそのタイプです。

実際、作品では「素数」「階乗」「友愛数」といった一見難しそうな用語も出てくるのですが、博士はそれをとても分かりやすく説明してくれます。

80分しか記憶が続かない博士にとっては数学が他人とコミュニケーションを取る数少ない手段になっていたわけですね。

また、杏子は「私の発見」として完全数(約数の和がその数になる数)を嬉しそうに博士に話します。
ただ仕事だからという理由で博士の話に付き合うのではなく、杏子自身が博士との数に関する会話を楽しんでいる姿が印象的でした。

私と同じように「学生時代、数学が苦手だったな?」という人でも十分に楽しめる作品なのでぜひ観てみてください。
映画を観て、作品に出てくる数学の用語をじっくり考えてみたくなったら、小説もおすすめです。

117分 ドラマ

「博士の愛した数式」の評価

映画.com 3.4
Filmarks 3.5
Yahoo!映画 3.7

2. 花とアリス

花とアリスのDVDジャケット

出典)Amazon

「花とアリス」のあらすじ

同じバレエ教室に通うハナ(鈴木杏)とアリス(蒼井優)は中学からの親友で、2人は揃って手塚高校へと進学した。
そして、ハナは片思いの先輩・宮本(郭智博)が所属する落語研究会に入部。

ハナが宮本の後をつけていたある日、読書に夢中の宮本はシャッターに頭をぶつけて倒れてしまった。

頭をぶつけて混乱している宮本に対してハナは、とっさに「記憶喪失で、私に告白をした」と嘘をつくことに。
自分に好意をもってもらおうと思ったがための嘘だった。
その後ハナは、なんとか宮本をごまかし続けるが、宮本はハナのパソコンの中に自身の隠し撮り写真を見つけてハナを疑う。

宮本に問い詰められたハナは、「前の恋人・アリスが撮影したもので、嫌がらせで送ってきた」とさらに嘘をついてしまった。

ハナはアリスに話を合わせてもらうものの、なんと宮本はアリスに恋をしてしまう。
アリスから付き合っていた頃の嘘の思い出を聞かされる中で、宮本はアリスに好意を持つようになったのだ。

最初は元カノのフリをしていただけのアリスだったが、彼女もまたそんな宮本が気になり始める。

予期せぬ展開で三角関係になってしまったハナとアリス。
3人の恋の行方はどうなってしまうのか?

作品情報
監督 岩井俊二
出演 鈴木杏、蒼井優、郭智博
映画公開日 2004年3月13日
主なロケ地 石神井川桜並木、音無もみじ緑地、紅葉橋(東京都)

「花とアリス」の感想

「花とアリス」は2003年にキットカット日本発売30周年を記念してネットで配信された短編映画ですが、その短編をもとにした長編映画が翌年に公開されました。

今では日本を代表する女優と言っても良い蒼井優さんらの幼い時の姿が見られます。

高校に入学したハナとアリスが桜の花吹雪をお互いに掛け合うシーンも青春っぽさがあって好きなのですが、圧巻なのはアリスのバレエシーン。

蒼井優さんはクラシックバレエが特技ということもあり、作中のオーディションで実際に踊るアリスの姿には魅了されました。

原宿でスカウトされたことでプロダクションに所属するようになったアリスは、特に芸能の仕事に興味があったわけではないため、色んなオーディションを受けても上手くいかない…
そんなアリスがオーディションで披露したバレエが印象に残り、雑誌の表紙に選ばれたわけです。

ハナに比べて楽観的、自由奔放に思えるアリスなのですが、その一方で親友のために自分の気持ちを抑えてしまうような一面も持っています。
ただ、映画の後半では少しずつ自分自身の気持ちを表現できるようになっていて、バレエを堂々と踊れたのもそんなアリスの変化の象徴なんだと思いました。

135分 青春ドラマ

「花とアリス」の評価

映画.com 3.6
Filmarks 3.8
Yahoo!映画 3.9

3. 花とアリス殺人事件

花とアリス殺人事件のDVDジャケット

出典)Amazon

「花とアリス殺人事件」のあらすじ

両親の都合で引っ越すことになったアリス(蒼井優)。
転校することとなったアリスは、そこで以前同じバレエ教室に通っていた友人と再会し、あることを教えられる。

それは、アリスの引っ越した家の隣が「花屋敷」と呼ばれているということだった。
どうやら引きこもりで不登校になっている同級生のハナと呼ばれる人物が、そこに住んでいることからそう名付けられたらしい。

そしてアリスは、転校先でまた別の噂も聞かされた。
この学校で1年前に殺人事件が起き、1学年上の男子学生ユダが、4人のユダによって殺されたそうだ。

だがことの真相は誰も知らず、アリスはその噂が気になった。

ハナなら何か知っているのではないかと思い、アリスは花屋敷を訪れる。

しかし、ハナは転校したとだけ言い、ユダが生きているのか、死んでいるのかは知らなかった。
そこで、花とアリスはユダが今どうしているのかを調査しようとするのだが…

その過程で過去に起きた事件の真相、ハナが学校へ行かなくなった理由も明かされる。

作品情報
監督 岩井俊二
出演 鈴木杏、蒼井優、平泉成、相田翔子、キムラ緑子
映画公開日 2015年2月20日
主なロケ地 川崎市周辺、鶴岡八幡宮(神奈川県)

「花とアリス殺人事件」の感想

今作の声優でもある鈴木杏さん、蒼井優さん出演の「花とアリス」の前日譚を描いたアニメーション作品です。

直接的に桜が出てくるシーンはありませんが、水彩画のようなタッチが印象的で、淡いピンクの色使いが「花とアリス」に出てきたような桜を思わせてくれます。

私は「花とアリス」を観ていましたが、先に「花とアリス殺人事件」の方を観ても十分に楽しめるでしょう。

ただ、両方の作品を比べてみると「この風景がアニメーションだとこうなるんだ!」というような発見があって面白いと思います。

実写作品の映像をもとにしているので当たり前なのですが、アリスたちの通うバレエ教室の外観を見たときは「そっくり!」と心の中で叫びました。

また、各キャラクターの声優を鈴木杏さん、蒼井優さんなど実写作品の出演者が演じている点もポイントです。
もし両作品を見られる環境があるなら、続けて観ることをおすすめします。

100分 アニメ

「花とアリス殺人事件」の評価

映画.com 3.6
Filmarks 3.7
Yahoo!映画 3.5

4. 君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたいのDVDジャケット

出典)Amazon

「君の膵臓をたべたい」のあらすじ

盲腸で入院していた志賀春樹(北村匠海)は、病院の待合室である本を拾う。
「共病文庫」と書かれたその本は同級生・山内桜良(浜辺美波)のもので、彼女直筆の日記だった。
春樹は共病文庫に書かれた内容から人気者でクラスの中心にいる桜良が実は病気で、余命いくばくもないことを知る。

春樹は桜良から突然、「君に私の残り少ない人生の手助けをさせてあげます」と言われ困惑するものの、雰囲気に流され彼女のわがままを聞くことになるのだった。
同じ時間を過ごす中で徐々に彼女を意識するようになるのだが、そんな時間も長くは続かなかった。

彼女の死から12年後、春樹(小栗旬)は母校で国語の教師をしていた。
そんな折、彼女との思い出の場所である図書館の取り壊しが決まる。

蔵書の整理をする中で桜良の残した春樹、そして彼女の親友・滝本恭子(北川景子)へ宛てた手紙を見つけるのだった。

作品情報
監督 月川翔
出演 浜辺美波、北村匠海、矢本悠馬、大友花恋、小栗旬、北川景子、上地雄輔
映画公開日 2017年7月28日
主なロケ地 伏見であい橋(京都府)

https://twitter.com/KomainuPetit/status/978493762438496256

「君の膵臓をたべたい」の感想

タイトルから何となく「膵臓の病気なんだな」と分かってしまい、これまで鑑賞する機会がなかったのですが、キレイな桜のシーンがあるということで今回初めて観ました。

病気の彼女が亡くなってしまうというのはよくあるシチュエーションかもしれません。
ですが、それだけではないのが、この作品の特徴だと思います。

この映画の広告には「ラスト、きっとこのタイトルに涙する。」というコピーが付けられているのですが、最後の最後、本当に涙を誘われました。

ただ病に冒されている膵臓を食べて、無くしたいというオチならいっさい涙は出なかったでしょう。
映画の最後に出てくる「君の膵臓をたべたい」というセリフで、その真意がスッと自分の中に落ちてきた気がしました。

内容をまだ知らない方はぜひタイトルの意味を自身で確認してもらえると嬉しいです。

ちなみに、映画では原作小説にはない12年後も描かれているので、原作を読んでいる方も楽しめる作品になっていると思います。

115分 青春ドラマ

「君の膵臓をたべたい」の評価

映画.com 4.0
Filmarks 3.7
Yahoo!映画 4.0

5. まく子

まく子のDVDジャケット

出典)Amazon

「まく子」のあらすじ

実家が旅館・あかつき館のサトシ(山﨑光)は、ある晩、父親の光一(草彅剛)が知らない女性と仲良さげに歩く姿を見かける。

父親の浮気現場を目撃したのにもショックを受けたが、サトシは自分自身も父親と同じ大人へ少しずつ成長していることに戸惑いを覚えていた。

また、サトシは小学校の校門の前でマンガを読んでくれるドノ(村上純)が好きだったが、いつの間にか、自身のそんな子どもっぽい部分を恥ずかしく思うようになっていた。

同じクラスの女子は精神的にも、肉体的にも成長していく中、サトシは子どもっぽい自分自身が嫌で、周りの男子に対しても冷ややかな視線を送る。

実家の旅館は母の明美(須藤理彩)が女将として仲居を仕切り、父親が料理長をしていたのだが、あかつき館に不思議な雰囲気の母と娘が引っ越してくることになる。

その母親はあかつき館で仲居として雇われていたため、同級生になる娘のコズエ(新音)とも一緒の場所で暮らすようになるのだった。

そんなある日、サトシはコズエから「私と母は別の星からある目的で地球を見学しにきた」と聞かされるのだったが…

作品情報
監督 鶴岡慧子
出演 山﨑光、新音、須藤理彩、草彅剛、つみきみほ、村上純
映画公開日 2019年3月15日
主なロケ地 四万温泉(群馬県)

https://twitter.com/spaguesthouse/status/1377775859176665089

「まく子」の感想

あらすじを読んだだけだと「どういう作品?」と思うかもしれませんね。

原作は西加奈子さんの同名作品で、児童文学として出版されています。
ですが、大人が観ても十分に「生と死」「成長」「変化」といったことを考えさせられる作品だったと思います。

成長するにつれて起こる体や心の変化に戸惑う男子を描いた作品はたくさんあります。
ですが、大人も子どもと一緒に考えられる作品というのは珍しいのではないでしょうか?

映画のラストシーンでも桜が登場するのですが、桜は作品で描かれている変化を象徴するものの1つだと感じました。

コズエによれば彼女の星に住んでいる人たちも、地球に住んでいる人たちも粒で構成されているとのこと。
ただ、地球人の粒は変化するため、体は成長するし、死んでしまうこともある。

一方、コズエたちの粒は変化しないため、もともとは成長することも、死んでしまうこともなかったのです。

誰しも変化に対してある種の恐れを抱くことはあるでしょう。
サトシの場合は大人の体へと変化していくことに不安を感じていたようですが、地球に来て初めて変化を知ったコズエは楽しいと言うのです。

変化に対して怖がったり、戸惑ったりするのは大人も、子ども一緒なんだと感じました。

設定を聞くと児童文学っぽく思えますが、ぜひ大人にも観てほしい作品です。

108分 ヒューマンドラマ

「まく子」の評価

映画.com 3.2
Filmarks 3.2
Yahoo!映画 3.8

6. 秒速5センチメートル

秒速5センチメートルのDVDジャケット

出典)Amazon

「秒速5センチメートル」のあらすじ

主人公・遠野貴樹(水橋研二)を軸に3つの短編作品からなるストーリー。

桜花抄
親の都合で引っ越しの多い遠野貴樹は、東京の小学校に1年遅れで転校してきた篠原明里(近藤好美)とお互いに惹かれ合う。
明里も転校が多かったため、何か自分と似ている部分を感じたのだろう。
しかし、小学校を卒業する時、明里は栃木の学校へと転校してしまう。

会えない中でも文通で近況を伝え合う2人だったが、しばらくして貴樹が鹿児島の学校へ転校することになる。

今度は簡単に会うことのできない距離になるため、貴樹は転校前に栃木の明里に会いに行くことを決断するのだったが…

コスモナウト
種子島にある高校に通う貴樹は、同級生・澄田花苗(花村怜美)から思いを寄せられていた。

花苗は中学校の時に転校してきた貴樹に他の男子生徒にはない何かを感じ、猛勉強の末、同じ高校に入学したのだが、なかなかその思いを伝えられずにいた。

ある朝、花苗は趣味のサーフィンで上手く波に乗れ、告白するなら今しかないと決意する。

部活終わりの貴樹といつものように一緒に帰り、これまで伝えられずにいた気持ちを告白しようとするのだが…

秒速5センチメートル
東京の会社に就職し、ひたすら仕事に没頭する貴樹。
しかし、何のために頑張っているのかは自分自身にも分かっていなかった。

3年間付き合っていた女性・水野理紗(水野理紗)からも何度もメールのやり取りはしたが、心の距離はほとんど縮まらなかったと言われてしまい、心の中に別の女性がいることを悟られてしまう。

いつの間にか昔のような思いがなくなっていることに気づいた貴樹は仕事を辞め、ある日、小学校の時に明里と一緒に歩いた通学路に桜を見に行くのだった。

作品情】
監督 新海誠
出演 水橋研二、近藤好美、花村怜美、尾上綾華
映画公開日 2007年3月3日
主なロケ地 参宮橋駅周辺(東京都)

https://twitter.com/furutamandola/status/978854454320607232

「秒速5センチメートル」の感想

10年以上前に一度観た作品なのですが、当時は感動する部分と同じくらいよく分からない部分がありました。

そして、今回久しぶりに観てもやっぱりよく分からない部分がある。
ただ、面白いのは分かる部分、分からない部分が前回とは変化するということ。

すべてを分かりやすく解説してくれているような作品ではないからこそ、何度でも楽しめるし、人によって異なる解釈ができるのだと思います。

タイトルの「秒速5センチメートル」は桜の花びらが舞う速度だそうですが、物語では「距離」というのが1つのテーマになります。

東京と栃木、栃木と鹿児島、地球と宇宙のような物理的な距離もあれば、心の距離というのもあるでしょう。
また、今の自分と過去の自分、今の自分と過去の彼女といった時間も距離に置き換えることができると思います。

初めて観る人は3つのストーリーで距離がどのように描かれているかに着目してみると良いかもしれません。

60分 アニメ

「秒速5センチメートル」の評価

映画.com 3.4
Filmarks 3.5
Yahoo!映画 3.5

7. あん

あんのDVDジャケット

出典)Amazon

「あん」のあらすじ

どら焼き屋・どら春で店長をする千太郎(永瀬正敏)は皮は自分で焼いているものの、あんこは業務用のものを使っていた。
そんなどら焼きを食べた徳江(樹木希林)からアルバイトとして雇ってくれないかと頼まれる。

徳江が高齢だったため最初は色々と理由をつけて断る千太郎。
しかし、その後、徳江は自分が作ったあんこを食べてみてほしいと千太郎の元を再び訪れたのだ。

甘党ではない千太郎だったが、そのあんの味に感動し、お店の常連の中学生・ワカナ(内田伽羅)にも働かせてあげたら良いと言われて、徳江をあんこ作りの手伝いとして雇うことに。

徳江の作るあんこの評判は良く、どら春は開店前から行列ができるほどの人気店となった。
だが、お店のオーナーからはある理由で徳江を辞めさせるように迫られてしまうのだった…

【作品情報】
監督 河瀬直美
出演 樹木希林、永瀬正敏、 内田伽羅、浅田美代子、水野美紀、市原悦子
映画公開日 2015年5月30日
主なロケ地 東村山市(東京都)

「あん」の感想

第68回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、樹木希林さんと孫の内田伽羅さんが共演していることでも有名なこの作品。

どら焼きを作る物語というざっくりとした認識だったのですが、実際に観てみたらテーマはまったく違うものでした。

樹木さんの演じた徳江はかつてハンセン病を患っており、その噂が広まると開店前からできていた行列もパタっと消えてしまう。
私も「ハンセン病」は小学校の時に言葉としては習いましたが、恥ずかしいことに、それがどのようなものだったかをほとんど覚えていませんでした。

もしかしたら、この映画を観るまではその言葉を思い出したことすらなかったかもしれません。
しかし、知識のないことが差別や風評被害に繋がることは多く、そのことをもう一度心に留めておくべきだと作品を観て思わされました。

ただ、この映画からは差別がどうこうというメッセージよりも、個人的には「自由に生きられることの素晴らしさ」を強く感じました。

やや重いと感じられるようなテーマかもしれませんが、徳江の持つ明るさからか、観た後は悲しい気持ちになりません。
作中に出てくる自然もとても美しく、お店(どら春)の前の桜がとりわけ印象的でした。

113分 ドラマ

「あん」の評価

映画.com 4.0
Filmarks 4.0
Yahoo!映画 4.1

8. 雷桜

雷桜のDVDジャケット

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「雷桜」のあらすじ

清水家の当主・斉道(岡田将生)は精神的な病を抱えており、周りからは「乱心」「うつけ」と噂されていた。
悪夢にうなされて起きることも多く、ある夜、斉道は家臣の瀬田助次郎(小出恵介)に何か話をするように言う。

瀬田は自身の故郷・瀬田村にある山には天狗が住んでいると話すのだった。
それをきっかけに静養先として家臣を引き連れ瀬田村に向かうことになる。

実は、その天狗とは山に父の理右衛門(時任三郎)と住む雷(蒼井優)で、山を里の人間に荒らされないように天狗のフリをして追い返していたのだ。

瀬田村へ向かう道中、斉道は家臣に止められるのも無視し、一人天狗の住むと言われる山へ入ってしまう。
そこで斉道は雷と出会うのだったが…

作品情報
監督 廣木隆一
出演 岡田将生、蒼井優、小出恵介、時任三郎、柄本明、宮崎美子
映画公開日 2010年10月22日
主なロケ地 大石林山(沖縄県)

「雷桜」の感想

普段、あまり時代劇は見ないのですが、そんな私にもスッと内容が入ってくる作品でした。

清水家の当主・斉道と山で育った雷(遊)はお互いに惹かれ合うのですが、身分の違いは歴然。
日本版「ロミオとジュリエット」というわけですね。

ただ、原作小説のファン、映画ファンからの評価は高くないようで…
確かにテンポが良い分、内容が若干薄いと感じる部分もあり、恋心に限らず登場人物の心理描写がもっとあっても良かったのかも。

それでも、映画後半、遊が斉道のもとに馬で駆けるシーンは感動的でした。
良い意味でも、悪い意味でもキャストの演技力に支えられている作品だと思います。

ちなみに、雷桜とは雷が落ちて根元から折れた銀杏の樹に桜が芽を出したものなのですが、映画に登場する樹はセットだそうです。
ロケ地を巡ってもあの印象的な樹は見られないので注意してください。

133分 恋愛ドラマ

「雷桜」の評価

映画.com 2.8
Filmarks 2.9
Yahoo!映画 4.1

9. 彼らが本気で編むときは、

彼らが本気で編むときは、のDVDジャケット

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「彼らが本気で編むときは、」のあらすじ

父親のいない家庭で育つ11歳の小学生・トモ(柿原りんか)の母は、男性と暮らすために家を出てしまう。
トモが置き去りにされたのは今回が初めてではなかった。

トモは母親の弟であるマキオ(桐谷健太)を訪ねるのだが、彼はトランスジェンダーのリンコ(生田斗真)と一緒に暮らしていた。

最初はリンコのことを理解できないトモだった。
しかし、本当の母親よりも愛情を注いでくれるリンコに、いつしか家族のような感情がトモに芽生える。

マキオとリンコは、トモを養子にできないかと真剣に考え始めるのだったが…

【作品情報】
監督 荻上直子
出演 生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、小池栄子
映画公開日 2017年2月10日
主なロケ地 稲城北緑地公園(東京都)

「彼らが本気で編むときは、」の感想

あらすじを読むと分かりますが、この作品で扱われているテーマの1つはジェンダー。

「性に問題を抱えていても、その家族に理解があれば良い」と思っていましたが、社会全体としての理解も重要なんだと痛感させられました。

映画では、リンコが検査のために入院するシーンがあるのですが、保険証の性別が男性だからという理由で、男性用の病室へと入れられてしまいます。
このような病院側の対応は理解できるものの、自分の知らない所で辛い思いをしている人はいるのだと気づかされたシーンです。

ジェンダーの問題に対して表面上の理解を示すのは簡単だと思います。
ですが、実際に「自分自身が」「自分の家族が」「家族の恋人が」という当事者意識を持つのはなかなか難しいことです。

この映画は少なくてもそんな問題に対して想像力を働かせる1つのきっかけになるでしょう。

また、「母親とは?」というのもテーマになっていると思います。
「産んだから母親」「女性だから母親」というわけではありません。

トランスジェンダーのリンコに家族の愛を感じるトモを通して、「母親とはなんだろう?」「家族とはなんだろう?」と考えさせられました。

127分 ドラマ

「彼らが本気で編むときは、」の評価

映画.com 4.0
Filmarks 4.0
Yahoo!映画 4.0

【まとめ】自宅で桜が印象的な映画を思う存分楽しもう!

桜が印象的な映画9作品を紹介してきました。

いつ普通にお花見ができるようになるかは分かりませんが、映画であればキレイな桜を、素敵な物語と一緒に楽しめます。

もちろん、実際に桜の咲いている今の時期に楽しむのもアリですが、来年の春を思いながら作品を鑑賞するのも良いでしょう。

気に入った映画があればロケ地を調べて、落ち着いてからのお花見候補地とするのも良いかもしれません。
映画ならいつでも、色々な場所の桜を見ることができますからね。

今回紹介した作品の中からあなたのお気に入り作品が見つかると嬉しいです。