近年、日本のアニメやマンガ、ゲームがハリウッドなど海外でリメイク、実写化されるケースは多いですね。
日本の映画にはないスケールで、自分の好きな作品を映像化してくれるのは嬉しいのですが、「実写化はハズレ多いんだよな…」っていうのが正直なところ。
確かに、たいていは数時間で語りきれないストーリーを2時間程度の尺にまとめるのですから、内容が薄くなることも、反対にギュッと詰め込みすぎて分かりにくくなることもあるでしょう。
その一方、海外でリメイク、実写化された作品を見て、原作も好きになるような良いケースもあります。
今回はそんな日本のアニメ、マンガ、ゲームの海外リメイク&実写化作品から、個人的に意外と面白かった5作品、やっぱりダメだった5作品を紹介していきます。
それぞれランキング形式で紹介しますが、順番については筆者の完全な主観です。
評価は原作がどれくらい好きか、詳しいかなどによっても変わると思います。
今回のランキングはあくまでも私の「意外と面白かった!」「やっぱりダメだった…」という感想をベースに順位付けしたものなので、その点はご了承ください。
※ 作品情報の製作費、興行収入は執筆時点でのウィキペディアの情報です。
意外と面白かった日本アニメ・マンガ・ゲームの海外実写化作品ベスト5
まずは実際に見てみると想像や前評判よりも良かった5作品を紹介していきます。
1位から5位まで順位は付けましたが、どれも映画として十分に楽しめる良い作品でした。
ただ、好きなジャンルなどもあると思うので、その辺りはあらすじを参考にしてもらえると嬉しいです。
No5. オールド・ボーイ(2013・アメリカ)
出典)Amazon
「オールド・ボーイ」のあらすじ
1993年、広告代理店に勤めるジョーは上司に上手くいかなければクビだと言われていた商談に失敗してしまう。
ジョーは泥酔し、モーテルで目を覚ますのだが、そこに窓はなく、部屋のドアも開かない。
テレビはあり、定期的に食事が運ばれてくるものの、それ以外に外部の情報を得る手段はなかった。
そして、ある時、別れた前妻が殺害され、その容疑者が自分であることをテレビで知るのだった。
しばらくは無気力に過ごすジョーだったが、テレビで母の事件についてインタビューされる成長した娘の姿を見て、自分を変え、いつかこのモーテルから逃げ出すことを決意する。
一体、誰が、どのような目的でジョーを監禁したのか?
犯人を突き止め、娘と再会することを目的に生きるジョー。
監禁から20年後の2013年。
20年ぶりに外の世界に出られたジョーは、犯人を捜すのだったが…
「オールド・ボーイ」の作品情報 | |
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原作 | 土屋ガロン 嶺岸信明 『ルーズ戦記 オールドボーイ』 (韓国版『オールド・ボーイ』のアメリカ版リメイク) |
監督 | スパイク・リー |
脚本 | マーク・プロトセヴィッチ |
出演 | ジョシュ・ブローリン、エリザベス・オルセン、シャールト・コプリー |
製作総指揮 | ネイサン・カヘイン、ジョン・パワーズ・ミドルトン、ピーター・シュレッセル、キム・ドンジュ |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 2013年11月27日 |
製作費 | $30,000,000 |
興行収入 | 全世界:$4,861,022 |
「オールド・ボーイ」の感想
「オールド・ボーイ」はもともと2003年に公開された韓国映画で、第57回カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞するなど評価の高い作品です。
原作は土屋ガロンさんと嶺岸信明さんによるマンガ「ルーズ戦記 オールドボーイ」であり、今回紹介する作品は韓国映画のアメリカ版リメイクとなっています。
韓国版が高評価なので、比較すると物足りないという声もあります。
原作ファン、韓国版映画ファンからはそのような否定的な意見もあるのですが、「意外と面白い」という点からいえばかなりおすすめです。
アクションシーンも迫力があり、物語のオチも良かったと思います。
監禁されていた20年を友人が簡単に信じてしまう点は多少不自然な感じがあり、韓国映画版と比べて内容はマイルドになっているため、確かに物足りなさを感じる人もいるでしょう。
ただ、その点は反対に韓国映画版より見やすいとも言えます。
それを「分かりやすい」「見やすい」と捉えるか、「内容が薄い」「インパクトが足りない」と捉えるかは人によって変わりそうです。
私は原作を読んでいるのですが、個人的にはアメリカ版リメイクも好きです。
ちなみに、バイオレンス、セクシャルなシーンがありR15+になっています。
No4. 名探偵ピカチュウ(2019・アメリカ、日本)
出典)Amazon
「名探偵ピカチュウ」のあらすじ
ある日、保険会社で働くティムは、警察から父親が交通事故に遭い、死亡したとの知らせを受ける。
父のハリーとは幼い時に離れて以来疎遠で、ティムはずっと祖母と一緒に暮らしてきた。
ティムは父が住んでいたライムシティの警察署を訪ねる。
ライムシティは人間とポケモンが共存する街で、10周年を記念したポケモンパレードを控えていた。
ティムは荷物を整理するため父と一緒に働いていたヨシダ警部補から鍵を借り部屋に入るのだったが、そこで出会ったのは、なんと人間の言葉を喋るピカチュウだった。
そのピカチュウはハリーのパートナーポケモンのようだったが、過去の記憶を失っていた。
ティムはハリーが死んでいないと信じるピカチュウと一緒に、父の身に何が起きたのかを探るのだったが…
「名探偵ピカチュウ」の作品情報 | |
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原作 | 任天堂 ポケモン クリーチャーズ 「名探偵ピカチュウ」 田尻智 「ポケットモンスター」 |
監督 | ロブ・レターマン |
脚本 | ダン・ヘルナンデス、ベンジー・サミット、ロブ・レターマン、デレク・コノリー |
出演 | ライアン・レイノルズ、ジャスティス・スミス、キャスリン・ニュートン、スキ・ウォーターハウス |
製作総指揮 | ジョセフ・M・カラッシオロ・Jr、アリ・メンデス、石原恒和、大久保賢司、宮原俊雄、松岡宏泰、植田浩史 |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 2019年5月2日 |
製作費 | 1億5,000万米ドル |
興行収入 | 全世界:4億3,620万米ドル アメリカ:1億4,411万米ドル 日本:30億1,000万円 |
「名探偵ピカチュウ」の感想
ポケモンを実写映画化すると聞いて思ったのは「実写でポケモンは大丈夫かな?」「子ども向けの映画化な?」という2点です。
ただ、個人的にはどちらの懸念点も上手くクリアしていたと思います。
まず、実写とポケモンの組み合わせですが、リアルでありながら、良い感じに可愛かったです。
特にピカチュウのもふもふ感は最高ですね。
次に映画の内容ですが、本格的ではないものの、ちょうど良いミステリーになっています。
内容だけを考えるとやや子ども向けなのですが、大人も十分に楽しめます。
親子連れ、子どもだけでなく、大人も意識したちょうど良いストーリーでした。
舞台になる街の近未来感も素敵で、「こんな世界に住んでみたい」という感想が多いのにも納得です。
また、ピカチュウがおじさんの声で喋るという点が気になる人もいたようですが、違和感は最初だけで、途中からスッとストーリーに集中できました。
実は、ピカチュウの声がおじさんなのにもちゃんと理由があって、その辺りは映画の後半で分かってきます。
あと、映画のエンディングはゲームの初期作品のメインテーマをアレンジしたもので、そこまで詳しくない私も何だか胸が熱くなりました。
ファミリー層に加えて、今もポケモンが好きな人、昔好きだった人など原作ファンも楽しめる作品になっています。
No3. アリータ:バトル・エンジェル(2019・アメリカ)
「アリータ:バトル・エンジェル」のあらすじ
西暦2563年、火星連邦共和国(URM)との戦い・没落戦争から300年後の世界。
かつては多数の都市が天空に浮いていたが、その戦争で地球に残された空中都市はザレムだけとなった。
そのザレムから排出されたゴミは地上のクズ鉄町・アイアンシティに積み上げられていた。
そんなアイアンシティでサイボーグを診る医者イドは、ザレムから捨てられたクズ鉄の中から少女の頭部を拾う。
イドはその少女に機械の体を与え、アリータという名前を付けるのであった。
自身に関する記憶を失っていたアリータだが、お尋ね者の賞金首に襲われたイドを助けた時に、彼女の記憶の一部が戻る。
彼女はかつてURMの兵士として地球との戦争に関わっていたのだ…
「アリータ:バトル・エンジェル」の作品情報 | |
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原作 | 『銃夢』/ 木城ゆきと |
監督 | ロバート・ロドリゲス |
脚本 | ジェームズ・キャメロン、レータ・カログリディス |
出演 | Rosa Salazar, Christoph Waltz, Jennifer Connelly |
製作総指揮 | デヴィッド・ヴァルデス |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 2019年2月22日 |
製作費 | 1億5,000万米ドル |
興行収入 | 全世界:4億3,620万米ドル アメリカ:1億4,411万米ドル 日本:30億1,000万円 |
「アリータ:バトル・エンジェル」の感想
「アリータ:バトル・エンジェル」は木城ゆきとさんのマンガ「銃夢」を原作とする実写映画です。
原作全9巻のうち、前半部をメインにしたストーリーになっています。
私はまだ全巻読めていないのですが、ちょうど映画で扱われている第4巻まではチェックしていました。
一部、原作と異なる設定もありましたが、基本的にストーリーは原作を追っています。
街の風景やアクションシーンなどのCGは「さすがハリウッド!」という感じで、原作を知らなくても純粋にSF、アクション映画として楽しめると思います。
ただ、原作マンガのテーマが上手く描かれているかというと、人によって判断が分かれそうな感じがしました。
ストーリーは続くような雰囲気で終わっているものの、続編に関する具体的な情報が出ていない点も残念です。
最後まで物語を知りたいなら原作もあわせて読むのが良いでしょう。
No2. オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014・アメリカ)
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のあらすじ
近未来の地球、そこは宇宙からの侵略者ギタイの脅威に脅かされていた。
ウィリアム・ケイジ少佐は軍の報道官として広報活動を担っていたが、ある時、将軍から前線での任務を命じられる。
少佐は報道官の力を利用してそれを回避しようとするものの、反対に将軍を激怒させてしまう。
それにより現在の立場を失い、最前線に送られてしまうのだった。
軍は奇襲攻撃で戦況をひっくり返そうとするのだったが、敵の待ち伏せにあい、まともな戦闘経験のない少佐は戦地であっけなく死んでしまう。
だが、その直後、時間は前線の基地に送られた日まで遡る。
以降、少佐は死ぬたびに同じ時間に戻って目を覚まし、自身がタイムループしていることに気が付く。
戦地へ送られては殺されというループを何度も繰り返すうち、少佐は同じくタイムループの経験者であるリタ・ヴラタスキと出会う。
少佐はリタやタイムループを信じるカーター博士と協力して、悲惨な未来を変えようとするのだったが…
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の作品情報 | |
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原作 | 桜坂洋 『All You Need Is Kill』 |
監督 | ダグ・リーマン |
脚本 | ダンテ・W・ハーパー、ジョビー・ハロルド、クリストファー・マッカリー、ティム・クリング、ジェズ・バターワース、アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー |
出演 | トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン |
製作総指揮 | ジョビー・ハロルド |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 2014年5月28日 |
製作費 | $178,000,000 |
興行収入 | 全世界:$370,541,256 アメリカ、カナダ:$100,206,256 日本:15.9億円 |
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の感想
この作品は原作を知らず、事前情報は「ループものである」ということぐらいで映画を見ました。
原作は桜坂洋さんのライトノベル「All You Need Is Kill」です。
これまでいわゆるラノベを読んだこともなく、その映画化はどうかなと思っていたのですが、この作品に関しては想像をはるかに超えたクオリティでした。
何度もタイムループする作品は、同じようなシーンが続き、飽きてしまうこともありますよね。
ただ、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」はテンポが良く、なくても分かる余計な説明はカットしてくれているような感じで、非常に見やすかったです。
映像の迫力もスゴく、「これは映画館で見たかったな」と思わせてくれる作品になっています。
これほど壮大なスケールで描けるのはハリウッドならではだと思います。
No1. シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(2019・フランス)
出典)Amazon
「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」のあらすじ
冴羽獠は凄腕のボディガード、スイーパーである通称シティーハンター。
亡くなった友人の妹で助手でもある槇村香と共にある依頼を受けることになる。
その依頼主はドミニク・ルテリエと名乗り、科学者だった父が開発した「キューピッドの香水」という惚れ薬を悪者の手に渡らないように守ってほしいと言うのだ。
身をもってその効果を知った獠と香だが、解毒薬が一緒になった香水を何者かに奪われてしまうのだった。
もし48時間以内に解毒薬を使わなければ、香水の効果は永遠に続く。
獠と香は奪われた香水の行方を追うのだったが…
「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」の作品情報 | |
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原作 | 北条司 『シティーハンター』 |
監督 | フィリップ・ラショー |
脚本 | フィリップ・ラショー、ピエール・ラショー、ジュリアン・アルッティ、ピエール・デュダン |
出演 | フィリップ・ラショー、エロディ・フォンタン、カメル・ゴンフー |
製作総指揮 | – |
製作国 | フランス |
公開日 | 2019年11月29日 |
製作費 | €18,600,000 |
興行収入 | 1億円以上 |
「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」の感想
1985年~1991年にかけて週刊少年ジャンプで連載された北条司さんの「シティーハンター」を原作とするフランスの実写映画です。
世代としては私よりも少し上なのでガッツリ原作を読んだり、アニメを見たりはしておらず、物語を何となく知っている程度です。
ただ、そんな私でもかなり楽しめるアクションコメディでした。
フランスの製作ということもあって、「キャストは大丈夫かな?」と思っていました。
最初は外国人キャストに対して役名が日本人というのに違和感を感じましたが、本当に最初だけです。(字幕版と吹替え版で役名が異なります。)
開始数分で自分のイメージするシティーハンター・冴羽獠になっていました。
また、原作が日本のマンガなので、日本人が見ても笑えるのは良いですね。
海外のコメディ映画だと笑い所が分かりにくいこともありますが、原作マンガ、アニメのギャグセンスそのままで、けっこう笑いました!
下ネタはちょっと多めですが、家族で見られないレベルではなく、いろんな世代の人が楽しめると思います。
そして、エンディングの「Get Wild」はやっぱりテンション上がります。
やっぱりダメだった日本アニメ・マンガ・ゲームの海外実写化作品ベスト5
次は「期待していたけど面白くなかった」「前評判通り内容がひどかった」5作品です。
特に1位、2位の作品は後続を大きく引き離しています。
これから見るなら期待はしないでください。
No5. ゴースト・イン・ザ・シェル(2017・アメリカ)
出典)Amazon
「ゴースト・イン・ザ・シェル」のあらすじ
テクノロジーが発展した近未来、人々は自身の体の一部を義体化するようになっていた。
ミラはテロリストによる襲撃に遭い、瀕死の重傷を負う。
体の損傷はひどかったが、幸い脳は無事だったため人工の義体に脳を移植し、全身サイボーグの体に人間の脳を持つ前例のない存在となる。
そんなミラは公安9課に所属され、サイバー犯罪などの取り締まりにあたるのだったが、そんな中、政府から援助を受けて義体の研究開発をするハンカ・ロボティクス社をターゲットにしたテロ事件が発生。
ミラは公安9課の同僚らとともにそのテロ事件の捜査を進める。
だが、捜査の過程で、ミラは自身の過去について疑問を持つようになるのだった。
「ゴースト・イン・ザ・シェル」の作品情報 | |
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原作 | 士郎正宗 『攻殻機動隊』 |
監督 | ルパート・サンダース |
脚本 | ジェイミー・モス、ウィリアム・ウィーラー、アーレン・クルーガー |
出演 | スカーレット・ヨハンソン、北野武、マイケル・ピット |
製作総指揮 | ジェフリー・シルヴァー、藤村哲哉, 石川光久、野間省伸 |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 2017年4月7日 |
製作費 | $110,000,000 |
興行収入 | 全世界:$169,801,921 日本:9億9400万円 |
「ゴースト・イン・ザ・シェル」の感想
士郎正宗さんの「攻殻機動隊」シリーズを原作とするアメリカの実写映画です。
詳しく知らなくても「攻殻機動隊」というタイトルは聞いたことある人が多いのではないでしょうか?
非常に熱狂的なファンが多い作品で、ハードルが上がってしまっていたというのもありますが、残念ながら内容はいまひとつでした。
北野武さん、桃井かおりさんといった日本人キャストも出演していますし、主要キャストの日本語吹替えをアニメ版の声優さんがそのまま担当するなども良かったと思います。
ただ、アニメ版を超えるような部分があったかというと疑問です。
原作ファンにとっては物足りない内容で、原作を知らない人におすすめできる良作でもないという非常に中途半端な印象を受けました。
時間的な制約もあると思いますが、おそらく原作を知らない人が見ると、よく分からない箇所が多数出てくるでしょう。
それを理解するために繰り返し見るなら、最初からマンガやアニメで見た方が良いです。
実写化が大失敗したとまでは言いませんが、悪い意味で「ハリウッドが映画化するとこうなるよね」といった感じがあります。
CGと実写を上手く織り交ぜているため、ただのアクション映画、SF映画としてならそこそこ楽しめるでしょう。
No4. カイト/ KITE(2014・アメリカ、メキシコ)
出典)Amazon
「カイト/ KITE」のあらすじ
経済が崩壊し、政府も存在しなくなった近未来。
ギャング団のナンバーズは子どもをさらっては、エミールという人物が率いる人身売買組織へ売っていた。
主人公のサワはエミールに両親を殺され、警官だった父親の相棒・アカイに育てられる。
エミールへの復讐を誓うサワは売人を一人ずつ殺し、組織に近づこうとするのだが…
彼女は両親の死の真相を知ることになるのだった。
「KITE」の作品情報 | |
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原作 | 梅津泰臣 『A KITE』 |
監督 | ラルフ・ジマン |
脚本 | ブライアン・コックス |
出演 | インディア・アイズリー、サミュエル・L・ジャクソン、カラン・マッコーリフ |
製作総指揮 | – |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 2014年6月13日 |
製作費 | – |
興行収入 | 日本:1,400万円 |
「カイト/ KITE」の感想
原作は1998年に発売されたアダルトアニメ「A KITE」です。
後に一般向けに再構成されたインターナショナルバージョン、続編である「KITE LIBERATOR」も発売されるなど人気があります。
私は原作を見ていないため、原作との比較はできないのですが、インディア・アイズリー演じる美少女ヒロインのアクションシーンは良かったです。
サミュエル・L・ジャクソンも存在感があって、最初はストーリーに引き込まれていきました。
その一方で、魅力的なキャスト、設定に対して、ストーリーの展開や結末がやや薄っぺらい印象はあります。
「盛り上げてほしい後半で、盛り上がらない。」そんな印象の映画でした。
ただ、「原作も見てみようかな」「ヒロインは他にどんな作品に出ているのかな」のような次に繋がる点はありました。
No3. ラスト・ブラッド(2009・香港、フランス)
出典)Amazon
「ラスト・ブラッド」のあらすじ
16世紀の日本、戦乱によって多くの血が流れた。
オニは人に擬態し、人間の血を餌に数を増やす。
それ以降、オニと人間との戦いが続いていたのだが、その戦いに終止符を打つべく一人の少女が立ち上がる。
彼女の名前はサヤ。
サヤの父親は、オニの始祖であるオニゲンを討伐しようとしたものの、返り討ちにあい、命を落としてしまった。
彼女は父の跡を継ぎ、秘密組織のバックアップのもとオニゲンを追うのだった。
舞台は1970年の東京。
米軍の基地で1週間に3人の遺体が見つかる。
それをオニゲンが近くにいる証拠だと考え、組織はサヤを基地内にある学校へと潜入させるのだったが…
「ラスト・ブラッド」の作品情報 | |
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原作 | Production I.G 『BLOOD THE LAST VAMPIRE』 |
監督 | クリス・ナオン |
脚本 | 神山健治、ロニー・ユー |
出演 | チョン・ジヒョン、小雪, アリソン・ミラー、リーアム・カニンガム |
製作総指揮 | – |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 2009年6月4日 |
製作費 | – |
興行収入 | – |
「ラスト・ブラッド」の感想
原作はProduction I.Gのアニメーション映画「BLOOD THE LAST VAMPIRE」で、「ラスト・ブラッド」はそれを香港とフランスの共同制作で実写化した作品です。
原作の基本的な設定を引き継ぎつつ、ストーリーを変えたテレビアニメ「BLOOD+」も2005年から約1年間放送されました。
原作はコアなアニメファン向けなのに対して、テレビアニメ版は女性からの指示でファン層を広げ、そのヒットから数年後の実写化作品に当時はワクワクした記憶があります。
また、主人公のサヤを「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンさん、オニゲンを小雪さんが演じているということもあって、けっこう期待していたものの全体的に内容は残念でした。
ホラー要素もアクションも悪くはないのですが、良くもない…
原作やテレビアニメでシリーズのファンになった人からすれば、おそらく物足りないです。
映画のテイストやキャストが好きなら見る価値はありますが、それ以上におすすめできるポイントは見つかりませんでした。
No2. ストリートファイター(1994・アメリカ)
「ストリートファイター」のあらすじ
東南アジアにある軍事国家・シャドルーの北部の村で救助活動をしていた連合軍のボランティアが誘拐される。
彼らを誘拐したのはシャドルーの将軍・バイソンである。
バイソン将軍は身代金として3日以内に200億ドルの支払いを連合軍側に要求するのだった。
そこで連合軍のガイル大佐は、シャドルーへ武器を流しているサガットを利用し、悪党相手に悪事を働いていたリュウとケンを敵地に送り込むのだったが…
一方、バイソンの軍はハイテク技術を駆使し、捉えた兵士に対して人体改造の実験を行っていた。
「ストリートファイター」の作品情報 | |
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原作 | 『ストリートファイター』シリーズ |
監督 | スティーヴン・デ・スーザ |
脚本 | スティーヴン・デ・スーザ |
出演 | ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ラウル・ジュリア、ミンナ・ウェン |
製作総指揮 | ティム・ジンネマン、坂井昭夫、会田純、サシャ・ハラリ |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 1994年12月23日 |
製作費 | $35,000,000 |
興行収入 | $99,423,521 |
「ストリートファイター」の感想
対戦型格闘ゲームの「ストリートファイター」シリーズを原作とする実写映画で、キャラクターは「ストリートファイターII」がベースになっています。
アニメやマンガ、ゲームの実写化で「原作愛がない」と指摘されることはありますが、この映画に関しては「原作知らない人が作ったのかな?」と思ってしまいました。
どうやら北米版の設定を反映したことで、キャラクター同士の名前が入れ替わってしまっているようです。
例えば、肖像権の問題が絡んで、映画のボスであるバイソンは、日本人からするとベガです。
また、日本人のイメージするバイソンはアメリカだとバルログと呼ばれるなどややこしく、ことさら日本人にとっては違和感のある作品になっています。
加えて、主人公はリュウとケンではなく、ガイルです。
最初はスピンオフとして捉えれば大丈夫かと思ったのですが、「ストリートファイター」なのにそこまでストリートファイトしないという内容もイマイチでした。
今の映像技術を生かしてリメイク作品を作ったら面白そうな感じはあるものの、2009年のアメリカ映画「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」の評価も低く、このゲームの実写化は難しいのかもしれませんね。
個人的には、日本と海外でキャラクターの名前が異なるという点は勉強になりました。
No1. 「DRAGONBALL EVOLUTION」(2009・アメリカ)
出典)Amazon
「DRAGONBALL EVOLUTION」のあらすじ
高校生の孫悟空は祖父・悟飯と一緒に暮らし、武術の修行をつけてもらっていた。
学校ではトラブルも多い悟空だったが、ある日、スクールメイトで密かに好意を持っていたチチからパーティに招待される。
しかし、悟空は祖父の身に危険が迫っていることを感じ取り、パーティを途中で抜けて自宅へと急ぐのだが、家に着いた悟空が目にしたのは崩れた家と瀕死の祖父だった。
悟飯は死ぬ間際、7つ集めることでどんな願い事でも叶えてくれるドラゴンボールの存在、それを狙い過去に封印したピッコロ大魔王が復活したことを悟空に伝え、武術の達人である亀仙人を訪ねるように言い残す。
はたして、ピッコロ大魔王よりも早く、ドラゴンボールを見つけることができるのか?
「DRAGONBALL EVOLUTION」の作品情報 | |
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原作 | 鳥山明 『ドラゴンボール』 |
監督 | ジェームズ・ウォン |
脚本 | ベン・ラムジィ |
出演 | ジャスティン・チャットウィン、エミー・ロッサム, チョウ・ユンファ、ジェームズ・マースターズ、ジェイミー・チャン、ジューン・パーク、田村英里子 |
製作総指揮 | 鳥山明、ティム・ヴァン・レリム |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 2009年3月10日 |
製作費 | US$45,000,000 |
興行収入 | 全世界:US$57,497,699 日本:US$8,451,374 |
「DRAGONBALL EVOLUTION」の感想
誰もが知っている鳥山明さん原作の国民的マンガ「ドラゴンボール」の実写映画ですが、原作者も酷評するレベルのクオリティです。
一応、製作総指揮には鳥山明さんも入っています。
ただ、だからといって、すべてに口出しすることはできないんですね。
どうしても実写映像化するにあたり、原作と変える必要がある部分は出てくると思います。
この作品でも「クリリンが出てこない」「ピッコロに触角がない」など原作と違うという指摘が多く、ファンからすれば「なぜ?」って感じでしょう。
また、それ以外の問題点も多く、そもそも「ドラゴンボール」にまったく興味がない人は見ない上に、原作ファンも楽しめない内容でした。
批判を恐れず世界観を良い意味で壊すわけでも、原作をできるだけ忠実に再現するわけでもない…
相当なお金をかけて製作しても、それがまったくクオリティに反映されていない印象です。
私は原作ファンと言えるほど詳しくはないものの、それでも子どもの時にマンガを読み、アニメも見ています。
原作とは別物でもストーリーが良いとか、アクションシーンは良かったとかポジティブな感想はいっさいありません。
作品が87分という若干短めな点が救いです。
世間が言う駄作がどのようなものか知るために見るならアリだと思います。
【まとめ】2021年以降に公開予定の海外リメイク&実写化映画も多数!映画館へ行くなら慎重に
日本のアニメやゲームなどの海外リメイク、実写化映画から、良かった5作品、ダメだった5作品を紹介してきました。
面白い、面白くないは主観ですし、見るタイミングによって評価が変わることもあるでしょう。
ただ、原作のある作品の実写化映画に当たり外れが大きいのは事実だと思います。
特に海外でのリメイク、実写化になると、「本当にこの作品の良さ、分かっているのかな?」なんて思ってしまうファンの気持ちも理解できます。
実は2021年以降にも多数の作品の海外リメイクや実写化が予定されていて、ちょっと調べただけでもたくさん情報が見つかりました。
2021年以降に公開される海外実写化アニメ
- 「モンスターハンター」(2021年3月26日公開)
- 「ワンパンマン」(公開日未定)
- 「AKIRA」(公開日未定)
- 「進撃の巨人」(公開日未定)
- 「僕のヒーローアカデミア」(公開日未定)
- 「約束のネバーランド」(公開日未定)
映画館の大きなスクリーンで見る映像は迫力がありますが、期待外れの作品を避けるなら、ちょっと評判を聞いてからでも良いかもしれませんね。
評判を聞いて「わざわざお金を払って映画館で見るほどでもないかな?」と思えば、定額の動画サービスでの配信を待つのも賢いと思います。
また、この記事では10作品しか紹介していないので、他にも「この作品は良かった」「これはダメだった」などあればぜひ教えてください!