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数々の話題作を生み出してきた細田守監督

「時をかける少女」「サマーウォーズ」などなど、瑞々しい青春や、美しい夏の描写が印象的ですよね!

しかし、監督の手がけた作品は、そういった爽やかなものばかりではありません!

人間の本性や、複雑な思い、そういった部分にスポットを当てた名作がたくさんあります!

今回は、そんな名作7選を、制作裏話や豆知識とともにご紹介します。

あなたが好きなあの作品の誕生の裏には、実はこんなエピソードが…!?

この記事を見たあと、きっともう一度あの作品が見たくなるはず!

では、どうぞ!!

デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム

「やっぱ島根にパソコンなんかあるワケないじゃん!!」

「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」あらすじ

デジタルワールドでの冒険が終わり、普通の子供として生活していた8人の選ばれし子どもたち。

春休みを迎えた太一は、喧嘩してしまっていた幼馴染の空に謝罪メールを送るが、メールは受信されずに戻ってきてしまう。

そのことに怒る太一だったが、実はその頃、ネット上に謎のデータが発生。画面に構築されたデジモンの卵「デジタマ」から、見たことのない新種のデジモンが生まれてしまう。

異変を感じた光子郎は、愛用のノートパソコンを片手に、同じ団地に住む太一にこのことを知らせた。

太一たちがそのデジモンについて調べている間にも、新種のデジモンはどんどん成長してしまい、現実世界にも影響を及ぼし始める。

大人たちにこのことを伝えるも、なかなか信じてもらえない。

太一たちは、自分のパートナーデジモンたちと、新種のデジモンに立ち向かうことを決意する。

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム
監督 細田守
脚本 吉田玲子
公開日 2000年3月4日
アニメーション制作 東映アニメーション
上映時間 40分
キャスト 藤田淑子 坂本千夏 水谷優子 平田広明 八奈見乗児

「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」感想

この作品は、後に紹介する「サマーウォーズ」の元になった作品と言われています。

というのも、この作品に登場するデジタル世界の描き方や大まかなストーリーが、「サマーウォーズ」の世界観や展開に非常に酷似しているんです。

「デジモン」というキャラクターが主人公の作品を、キャラクターのことを知らない人やアニメに興味がない人も観れるよう一般向けにリメイクした作品が「サマーウォーズ」と言っても過言ではないような気がします。

この作品は細田監督作品のファンからも非常に評価の高い作品になっています。

40分という短い時間の中で進むテンポの良いストーリー展開、そして美しいデジタル世界の描写、デジモンファンはもちろん、デジモンのことをよく知らない人でもしっかり楽しめる内容になっています。

サマーウォーズよりおもしろい?色褪せないアニメーションの美しさ

正直、「サマーウォーズ」より先に観ても後に観ても、「ウォーゲームのほうが面白い…。」ってなる人が多いと思います。

ストーリーが似ていることもありますが、なにより「サマーウォーズ」よりも展開に無理やり感がない。

いや、しっかりご都合主義展開はありますが、あくまでデジモンの世界の話なので、すごくうまくカモフラージュされているんです。

シンプルに「なんでそうなるんや!」と思う展開が比較的少ない作品だと思います。

それもあって、レビューサイトなどでも高評価を得ているこの作品。

細田監督ファンの間でも、数々の細田監督作品のなかで、この作品が一番好きだという人は多いです。

私もこの作品かなり好きです。

「デジモンのこと全くわからない!」と言う人も楽しめます。安心して下さい。

「サマーウォーズ」あんまり好きじゃないなあと言う人は、一度この作品を見てみることをおすすめします!

結構前の作品になりますが、デジタル世界の描写は今見ても全く色あせていませんし、アニメーションの美しさに関しては「さすが!」と言いたくなるシーンが満載です!

40分という長さなので、忙しくて時間ないけど細田監督作品観てみたい!と言う人はこちらをおすすめします!

※出典)Amazon

「しっかりしろ太一!任せておけ!」

ONE PIECE オマツリ男爵と秘密の島

「それに俺は、おめえらを信じてるし。」

「ONE PIECE オマツリ男爵と秘密の島」あらすじ

「もし君が 海賊の中の 海賊の中の 海賊の中の 海賊ならば 信頼する仲間をつれてこの島に来るがいい」

海賊王を目指すルフィとその仲間たちは、とあるボトルメッセージを見つける。

そこには「多彩なスパ&エステで癒やされるもよし、ナイトライフは世界の美女と琥珀色のひと時を、そして夕食は、満漢全席フルコース」というメッセージと共に、その島への地図が。

麦わらの一味は、グランドライン唯一のリゾート地であるというその島、「オマツリ島」へ向かうことに。

到著した一行をオマツリ男爵と名乗る男が出迎えるが、そこはメッセージにあったようなリゾート地とはどこか違う異様な雰囲気が漂う。

するとオマツリ男爵はルフィたちに地獄の試練を受けてもらうと言い出し、ルフィたちはそれぞれ試練に挑んでいくが、その島にはある隠された秘密があった…。

オマツリ男爵と秘密の島
監督 細田守
脚本 伊藤正宏
公開日 2005年3月5日
アニメーション制作 東映
上映時間 91分
キャスト 田中真弓 中井和哉 岡村明美 山口勝平 平田広明 山口由里子
綾小路翔 池松壮亮

「ONE PIECE オマツリ男爵と秘密の島」感想

この作品はファンの間でも「トラウマ」とされる作品です。

いつもの、明るくエネルギッシュなワンピース映画を見に来た家族連れを、完全に泣かせにきてます。(感動とは別の意味で。)

私は正直、「細田監督、やってくれたなあ!」と思いました。

というのも、この映画の制作前に、細田監督にとってとてもつらい出来事があったからです。

その出来事というのは、知っている方も多いでしょう。そう、「細田版ハウル頓挫事件」です。

「細田版ハウル頓挫事件」とは

もともと、ジブリの採用試験に落選した過去を持つ細田監督。

ですがその落選理由というのが「君みたいな才能の持ち主は、うちにいるのは良くない」というもの。

しかも、あの宮崎駿監督が直々に手紙で通達したというから驚きです。

宮崎監督はそこまでするほど、細田監督に才能があると見込んでいたんですね。

そして、細田監督自身が、アニメーターとして、監督として活躍し始めた時に「ハウルの動く城」の監督依頼が来たわけです。

ジブリの宮崎監督は、前作「千と千尋の神隠し」で引退宣言をしていたため、白羽の矢が立ったのが細田監督。

2000年にはスタジオジブリとの打ち合わせも始まり、2001年5月にはイギリスへ2週間のロケハンを行うなど、計画は着々と進行し、同年12月には東宝が新作ラインナップを発表。

「『ハウルの動く城』は細田守監督作品として2003年春に公開する」と正式に披露されました。

ところが、2002年3月に突然企画はストップ。

細田守監督率いる「ハウルの動く城」のスタッフは解散され、全て白紙に…。

この事件に関する詳しい原因や経緯は公には明らかにはされていませんが、スタジオジブリと細田監督の間での何らかの意見の食い違いがあり、また当時のスタジオジブリは「千と千尋の神隠し」の公開にてんてこ舞いで人手不足だったことなどが関係しているみたいです。

結果的に、もう映画のパートCまで完成していた絵コンテはすべて廃棄され、細田監督が人手不足のスタジオジブリで必死に集めたスタッフも解散。

志半ばで自分の打ち込んでいたものが消えて、仲間を失ってしまった細田監督は、当時は相当落ち込んで、「もうアニメの世界はビジネスライクにやっていこう」とまで思ったそうです…。

と!!!

そんなエピソードを踏まえて、改めてこの作品を鑑賞してみてください。

もう「細田監督の経験談か!」と言わんばかりのストーリー展開に、思わず納得してしまいます。

少しネタバレになりますが、この作品で描かれている些細なことでの仲間割れ、信頼していた仲間からの裏切り、そして本当に独りになることの孤独感…、などなど、「うお~まさにそのまんまやないかい~。」って思いませんか?(あくまで想像の話ですが)

原作と違う!原作ファンが納得できないポイントと理由

このように、細田監督自身の経験や想いを作品に込めたからこそ、原作ファンからは「こんなのONE PIECEじゃない」「こういう作品ならONE PIECEじゃなくていい」「こういうストーリーはONE PIECEでやるべきじゃない」などといった感想が多く出てくるのだと思います。

細田監督作品は「監督自身の描きたいストーリーに合わせてキャラクターを動かす」ことが特徴でもあるので、そこを今回の作品でも発揮してしまったぶん「原作のキャラとぜんぜん違う!」ってなっちゃうんだと思います。

キャラクターの言動は、細田監督の描きたいシーンに合わせて動くわけですから、当然原作ファンからは納得行かない部分もあるわけです。

ですが、そういった普段のキャラとの言動の違いも、作中に麦わらの一味たちが「いつもの私達なら…」、「この島の雰囲気がそうさせている…」的なことを言っている部分があるので、むしろ普段とは違うように見せること自体狙いなのかもしれません。(詳しくはネタバレになるので言えませんが!)

細田監督の持つ圧倒的アニメーション技術の高さ

私はONE PIECEはアニメで見ていた派なんですが、正直アニメの作画は…。

毎週放送ってきっとすごく大変なことだとは思いますが、素人からしても「きっと間に合わせるのが大変なんだろうなあ」と思ってしまうような、そんなアニメーション…。

その点、この作品でのアニメーションは別格です。

CGの使い方や、あえて登場人物に影をつけない作画方法、印象的なカット割りなど、いたるところに細田監督の技術が施されています。

キャラクターの顔もやはり原作とは少し違いますが、私はあまり気になりませんでした!

ストーリーにも賛否両論あるものの、私はこれはこれでとてもおもしろい作品だと思います。

原作と比較してしまう気持ちもありますが、「映画は映画!原作は原作!」と割り切って観ると、新鮮で楽しんで観れると思います。

ONE PIECEだからこそ、今回のストーリーで浮き彫りになる「仲間」に対する想いや考えをぜひ感じてみて下さい!私はこの作品好きです!!

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「どんなやつからも仲間を奪えると思うなよ!俺は今、そいつの仲間だ!」

時をかける少女

「ずっと3人でいられる気がしてたんだよね。」

「時をかける少女」あらすじ

仲良し3人組の紺野真琴と間宮千昭と津田功介。

高校2年生のある日、理科室で転んでしまったことがきっかけで、時間を飛び越える力を手に入れた真琴。

突然手に入れた不思議な力に舞い上がり、自分本位に時間を飛びまくる。

しかし、真琴が自分勝手に力を使うことで、運命の歯車が狂い、未来はどんどんおかしな方向に向かってしまう。

更に、実はその力には千昭が関わっていて…。

キャストに女優や舞台俳優を起用し、高校生ならではのフレッシュ感がよりリアルに描かれた気持ちのいい作品。

主題歌の奥華子さんの曲も切ない心をかきむしってくる。

主人公たちの青春の甘酸っぱくて切ない、どうしようもない気持ちに思わず感情移入してしまう。細田守監督の代表作。

時をかける少女(アニメ映画)
監督 細田守
脚本 奥寺佐渡子
公開日 2006年7月15日
アニメーション制作 マッドハウス
上映時間 98分
キャスト 仲里依紗 石田卓也 板倉光隆

「時をかける少女」感想

細田監督作品でどれが好き?と尋ねると、結構な確率で名前の上がる作品です。

細田監督の名前を一躍有名にした作品だけあって、知名度も高いようですね。

監督の代表作、初めは小規模上映だった?

当時この作品はジブリ作品の「ゲド戦記」と公開時期が近かったこともあり、あまり大々的に宣伝されることもなく、興行規模はミニシアター並み。

初めの上映館数は13館、その後増えても全国で21館と非常に少なかったんです。

それが、いざ公開されると、インターネットなどの口コミ効果で評判になり、最終的には延べ100館以上の映画館で上映されるように。

2007年4月20日のDVD発売まで約9ヶ月に渡り上映されるロングラン作品になりました。

私はこの作品がとても好きなんですが、最近は逆に見るのが辛くなってきました…。

なんてったって!!!青春すぎる…!!!

もうキラキラしすぎていて眩しいです…。あんな高校生活送ってみたかった…。

とにかく「THE 青春!」って感じの映画になっています。

自転車に二人乗りで河原を走ったり、公園でキャッチボールしたり、お昼休みに中庭でプロレスしたり、手作り弁当持ってきてみたり、なんだこれは…!リア充アニメか…!!

って思いたくなるんですが、まあそういうわけでもないのがこの作品の魅力。

「時をかける少女」の魅力とは

この作品で描かれているのは主人公の真琴の成長です。

私利私欲のためにタイムリープを繰り返す彼女に、「なんでそんなことに力を使ってしまうんや!」とイライラした方も多いはず。

詳しくはネタバレになるので言えませんが、実際に、真琴が力を使うことで色んな人に迷惑がかかります。

それが結構残酷と言うか、客観的に見てると余計に「ひどいことするなあ…。」って思っちゃうことを繰り返すんですよね。

私も初めてみたときは「真琴自分に都合良すぎ!!」とイライラしてました。

でも、少し時間を置いてから改めて見てみると、真琴の力の使い方や行動に、イライラよりも、共感できる部分が多くなってきたんです。

「自分も高校生だったら、同じようなことに使っちゃうかなあ」なんて。

不思議です。歳をとったからでしょうか。

細田監督自身も、真琴のことを尋ねられて「頭の悪い子」と説明していたように、真琴ってバカな女の子なんです。純粋に。

でもこのバカな真琴だからこそ、この映画は成り立っているんだと思います。

全てはあのラストに持っていくための演出なんだと思うと、納得できます。

猪突猛進、目の前のことしか見えなくて、目の前のことにしか一生懸命になれない、でも、自分に都合の悪いことからは逃げてしまう…。

そんな彼女が、タイムリープという力と出会い、どう成長していくのか。

真琴のことを嫌いにならずに、どこか自分にも似たようなところがあるんじゃないかと受け入れることで、終盤の「変わらないもの」が流れるシーンで涙腺が崩壊するはずです。

(私は毎回そこで崩壊します。そしてこの「変わらないもの」とEDの「ガーネット」は本当に最高です。泣きます。)

他の細田監督作品に比べて、「見た人に考えさせるシーン」が多いこの作品の特徴。

「なぜそうしたのか」について考えながら観ると、より感動できると思います。

特に有名なあのラストシーン。

ここ数年であのラストシーンよりズギュンと胸に刺さったシーンはあんまりないです。そのくらい心に残る場面でした。ったは~!青春ですね~!!

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「未来で待ってる。」

サマーウォーズ

「あんたならできる。できるって。」

「サマーウォーズ」あらすじ

パソコンや携帯電話から接続できる「仮想空間”OZ(オズ)」。

その空間では、自分のアバターを使って買い物やコミュニケーションを取ることができ、公共料金の支払なども含め、現実世界における用事の殆どを済ませることができる。

全世界で利用者が10億人以上いる巨大ネットワークだ。

数学が得意な高校2年生の小磯健二は、ひょんなことから、学校のマドンナであり憧れの先輩、篠原夏希に頼まれ、先輩の実家に一緒に帰ることに。

軽い気持ちでついてきた健二だったが、何故か先輩は健二に「自分の彼氏役をして欲しい」と言い、30人近い親戚一同の前で紹介されてしまう。

疲れ果てて眠りにつこうとした健二の携帯に、謎の暗号が添付されたメールが届く。

思わず勢いでその暗号を解いてしまった健二は答えを送信して眠りにつくが、実はその暗号は、「OZ」の管理システムにアクセスできるセキュリティ解除のものだった。

その便利すぎるシステムは仮想空間だけに留まらず、現実世界にも影響を及ぼしてしまう…。

サマーウォーズ
監督 細田守
脚本 奥寺佐渡子
公開日 2009年8月1日
アニメーション制作 マッドハウス
上映時間 115分
キャスト 神木隆之介 桜庭ななみ

「サマーウォーズ」感想

こちらも賛否両論が分かれる作品です。

中でもこの作品はとりわけ評価の振り幅が大きいと思います。

星5つで評価するものであれば、星5つの人と星1つの人が多いということです。

「良い!」と思う人と「イマイチ!」と思う人の差が激しいのが、この作品の特徴だと思います。

「サマーウォーズ」の評価、賛否が分かれる理由とは?

ではなぜそこまで評価が分かれるのか、それは「わかりやすいご都合主義展開シナリオ」だからだと思います。

つまり、「次はこうなるだろう」「こうなってほしい」という、見ている側が求める展開にどんどん進んでいくということです。

少しネタバレになりますが、身内に、自衛隊員がいたり、スパコンをいきなり持ってこれる電気屋さんがいたり、格ゲーのチャンピオンがいたり、栄おばあちゃんの人脈がとんでもなかったり、などなど。

冷静に考えると「この家族有能すぎひん!?」となるわけです。

さらに細かいことを言うと、キングカズマって格ゲーやるときキーボード操作なの!?とか、OZのセキュリティゆるすぎない!?とか、花札ってそんなルールあった!?とか、言い出したらキリがないですね。

でも結局のところ作品の世界はアニメの世界であって、現実に起こりうることばかりを追求していたら、それはそれで実写ドラマでいいとなっちゃうわけです。

アニメだからできることもあるでしょうし、割り切ってしまったほうが楽しめると思います。(にしても確かに都合はいいですけどね!)

逆に言えば、そうした細かい部分をあえて深く突っ込まず、分かりやすく単純化したことで、普段ネットの世界にあまり興味がない人や、難しく考えながら観るのが苦手な人にも受け入れられたんだと思います。

難しいことはおいといて、シンプルにバトルを楽しみたいという人には結構グッと来たのでは?そういう人にとっては星5の作品だと思います!

また、OZを中心とするネット社会と「田舎」「家族の絆」というアナログ社会の切り替えも見ていて面白かったです。

監督は「家族のコミュニケーションとネットのコミュニケーション、どちらが良くてどちらがダメなのか偏った作品にはしたくなかった」というようなことを述べています。

確かにこの作品の中には、どちらの社会の良さも悪さも出ていて、そういった意味ではとても深い作品だったと思います。

「都合のいい話」で終わらせてほしくない!「サマーウォーズ」の見どころ!

結局の所、この作品に対する批判的な意見というのは「確かに」という部分が多いです。

「ネットワーク社会の設定がうすっぺらい」とか「大家族に対するエゴの押しつけだ」とか、観る人にとってはそう感じる部分があると思います。

ですが、そういった難しいことは考えず、まっさらなキモチで見てみて下さい!田舎の美しい情景描写とか、東京駅構内の再現度とか!

声優のキャストについても批判の声は少なからずありますが、私はすごく馴染んでいていいと思いました!

主役の健二くんの役を務めた神木隆之介さんは、現在の邦画興行収入ランキングTOP3「千と千尋の神隠し(坊役)」「君の名は(瀧役)」「ハウルの動く城(マルクル役)」全てに出演しています!

もはや俳優業にとどまらず、声優としても十分なキャリアを持つ名優さんなので、違和感なく楽しめましたよ!

近年では毎年のように夏休みに放送されていますが、私は観るたびに「こんな夏休み過ごしてみたーい!」と憧れちゃいます。

それくらい軽い気持ちで、夏の晴れた日に窓を開けて、扇風機の前でアイスでも食べながら観てください。

なんだか自分の夏休みにも冒険が起きそうな、そんな気持ちにさせてくれます。

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「よろしくおねがいしまああああああす!」

おおかみこどもの雨と雪

「おみやげみっつ、たこみっつ!」

「おおかみこどもの雨と雪」あらすじ

大学生のハナは、ある日、自分が受けている授業で、「この大学の生徒ではない」という青年に出会う。

勉強熱心なのに、大学には通えていないという彼に、勉強を教えるハナ。

徐々に心が近づき、親しくなる二人だが、ある夜、ハナは青年から自分が狼男であることを告げられる。

戸惑うハナだったが、彼女はその事実を受け入れ、青年と人生を共にすることを決心する。

やがて二人はおおかみこどもの雨と雪を授かり、4人で幸せな時間を過ごすはずだったのだが…。

人にばれてはいけない秘密を抱えた子どもたちが、自由に生きられるように、健気に懸命に子育てをするハナの姿に思わず涙があふれる。

細田監督がはじめて小説も手がけた感動作。

おおかみこどもの雨と雪(アニメ映画)
監督 細田守
脚本 奥寺佐渡子
公開日 2012年7月21日
アニメーション制作 スタジオ地図
上映時間 117分
キャスト 宮崎あおい 大沢たかお 黒木華 西井幸人 菅原文太 染谷将太

「おおかみこどもの雨と雪」感想

この作品は、細田監督作品の中でも特に『描写の美しさ』が現れている作品ではないでしょうか。

都会での暮らし、田舎での暮らし、それぞれの日常を描いている背景や、主人公たちの表情、動きなんかは、本当に素晴らしいの一言に付きます。(個人的には雨と雪が雪山を走り回るシーンが最高に好きです。)

ただ、この作品もかなり賛否が別れます。

というより、細田監督の作品自体、もともと見る人を選ぶような作品が多いんだと思います。

この作品も、見る人によっては駄作と言う人も少なからずいます。

「おおかみこどもの雨と雪」が批判される理由

この作品はズバリ「母と子」の絆や成長、家族愛をテーマにした作品です。

私は結婚してませんし、子供もいませんが、花が子育てに奮闘するシーンは、なんとなく「お母さんって大変なんだろうな。」って思いながら見ていました。

自分自身が体験したことがないからこそ、逆にそこまで深く気にしていなかったんだと思います。

ですがこの子育てシーンや、花の行動に対して「そんな聖母マリアみたいな最強母ちゃんがいるか!」「子育てはそんなに甘くない!」「現役大学生で子供2人出産て!」とか、まあいろんな批判コメントがあるわけです。

私は正直、「そこにリアリティ求めて作品が良くなるか」というとそうではないと思うんです。

監督としては、そういった部分をあえて深く掘り下げないことで、監督自身が描きたいテーマに重きを置いているんだと思います。

映画としては2時間程度しか尺がないので、その時間に様々なテーマを盛り込んでしまうと「結局何が言いたいんだ?」ってなりかねないですからね!(あくまで考察ですが!)

ただ、そういった細かい部分に疑問を残してしまったために「ヒロイン(花)に感情移入できない」って思う人が増えてしまったんだと思います。

確かに花だけにスポットを当てて鑑賞すると「頑張ってる私!!」「辛いことにめげずに耐えてる私!!」「子育てに一生懸命な私!!」みたいな感じがちょいちょい鼻につく感じがしてイラッとしちゃいました。

花自身が出来すぎてる人というか、個人的にはもっとがむしゃらなお母さんのほうが感情移入しやすかったのかもしれません。

自分の選択に自信をくれる作品

なんやかんや批判的な感想になってしまってますが、全体として私はこの作品がすごく好きです。(どっちやねん!)

「お母さんの育児奮闘記!」じゃなくて、シンプルに「おおかみこども」として生まれた子どもたちが、自分自身の生きる道を選択していく「成長記」として観ることをおすすめします。

「おおかみこども」と言う単語から、ファンタジーな展開を期待する人もいるかも知れません。

ですがこの作品は、「人と違う」ということが一体どんなことなのか、それによって変わっていく人生の選択肢について考えるきっかけになるような作品だと私は思います。

美しい富山県の自然を舞台に、”ヒト”として、”おおかみ”として成長していく彼らを、ぜひ一度観てほしいです。

※出典)Amazon

「しっかり生きて!」

バケモノの子

「お前、俺と一緒に来るか」

「バケモノの子」あらすじ

9歳の蓮は、母を交通事故で亡くし、父親は離婚して家を出てしまっていたため、独りになってしまった。

親戚の家に引き取られることになったが、蓮はそれに反抗し、家を飛び出してしまう。

行くあてもなく渋谷の街を彷徨っていると、そこでバケモノの熊徹と出会う。

熊徹は蓮に、「俺と一緒に来るか」と言うが、蓮はその提案を突っぱねる。

しかし、その後渋谷を徘徊しているうちに警察に呼び止められ、家に連れ戻されると思った蓮は渋谷の街を逃げ回る。

がむしゃらに走る蓮の目に、路地に消えていく熊徹の姿が…。

蓮は熊徹の後を追ってその路地に飛び込む。

そこは、バケモノたちが住む「渋天街」だった…。

バケモノの子
監督 細田守
脚本 細田守
公開日 2015年7月11日
アニメーション制作 スタジオ地図
上映時間 119分
キャスト 宮崎あおい 染谷将太 役所広司 広瀬すず 大泉洋 リリー・フランキー

「バケモノの子」感想

ここまで読んでくださった方は薄々お気づきでしょうが、サマーウォーズあたりから細田監督の作品は「家族」がテーマになっているものが多いですよね。

このあと紹介する「未来のミライ」も、お察しの通りバリバリの家族モノです。

細田監督自身の経験が作品に大きく影響している…?

サマーウォーズ以降の作品では、そのテーマに「家族」が大きく関わるように。

これは単純に、監督自身が結婚したことが大きく関係していると思います。

細田監督は2006年8月に現在の奥様にプロポーズし、奥様の実家である長野県上田市にご挨拶に行かれています。

「ん?長野県上田市?」と思った方、そうです。

あのサマーウォーズのモデルになった場所、あれは監督の奥様の実家だったんです。

完全に影響されてますね。(笑)

サマーウォーズに限らず、「結婚」というライフイベントがその後の作品に良くも悪くも干渉しているのは明らかです。

監督自身もインタビューなどで度々自分の経験が作品の原動力になっていることを述べています。

監督の実体験を元にした「思想」や「理想」みたいなものを作品のテーマにぶっこむのは、細田監督作品の醍醐味でもありますからね。

映画評論家からも酷評が…「バケモノの子」はおもしろくない!?

でもって、この作品。単刀直入に言うと私はあんまり好きじゃないです…。

いや、違うんです!クドいようですけど、映像はすごいんですよ!!

特に渋谷の感じとか、いっつもお天気カメラで観ている渋谷がこんなキラキラした世界に変わるなんて!とか思うんですよ!

でも!なんか!ストーリーが…!!なんか詰めが甘いって思っちゃうんですよ…!(何様や)

というのも、これまでの細田監督作品の脚本には奥寺佐渡子さんが関わっていました。

が、この作品からは細田監督自身が脚本も手がけるようになったんですよね。

だからって言うわけではありませんが、なんとなく「え、なんで!?」みたいな謎が多いと言うか、「今それ言う!?」みたいなセリフが多かったりだとか…。

嫌いではないんですが、なんとなく納得できないなぁってシーンが多かったのでちょっと残念でした。(映像は素晴らしいです…!)

(※以下少しだけネタバレ要素あり)

まず、渋天街と人間界ってそんな簡単に行き来できるもんなん!?ってのが最初の残念ポイントですね。

「千と千尋の神隠し」の湯屋の世界みたいに、「簡単には戻れない感」があると思っていた身としては、「え!そんな都合よく行き来できるんかい!」ってなっちゃいました。なんか残念!

そんでもって案外あっさり帰れてしまった人間界で突然出会うヒロイン・楓ちゃん!

しかもその出会い方も「いやいや王道少女漫画か!」と言わんばかりのご都合展開!

そしてこの楓ちゃんがまたすごい正義感の塊みたいな子で、悪い子じゃないんだけど、突然登場した割に凄いでしゃばってきちゃって…。

もう心の中で終始「いやお前は誰やねん…!!」と叫んでおりました。(特にラストシーン…)

観たことがない方には申し訳ないですが、観たことがある方は「確かに~」と思う部分があるのでは…?(なかったらほんとにすいません)

なんというか、単純に、楓ちゃんの存在や渋天街と人間界の設定が気に食わないのではなくて、そうならそうで、もう少しそのシーンに対する意味とか、設定の奥深さみたいなものが欲しかったなあということです…。(だから何様や)

突然の展開や登場人物にも「意味」とか「伏線」みたいなものを期待してしまう私としては、あんまり刺さらなかった作品です…。ん~!惜しい!

ただ、何度も言ってますが、映像の美しさや、渋天街と人間界の対比は非常に巧妙でした。

渋谷を歩く時、思わず路地裏とか通ってみたくなってしまうような、観た人に与えるワクワク感は十分にあります。

あんまり自分の中に変な仮説を立てたりせず、まっさらな状態で見ることをおすすめします。

※出典)Amazon

「負けるな!」

未来のミライ

「下向くな。前だけ見てろ。」

「未来のミライ」あらすじ

4歳のくんちゃんは、電車が好きな甘えん坊の男の子。

ある日、そんなくんちゃんのもとに、生まれたての妹、未来ちゃんがやってくる。

初めて見る生まれたての赤ちゃんに興味津々だったくんちゃん。

しかし、未来ちゃんがうちにやってきてからというもの、お母さんやお父さんは未来ちゃんのお世話にてんてこ舞い。

初めは未来ちゃんのことを面白がっていたくんちゃんも、お母さんやお父さんに相手をしてもらえなくなり、その原因が未来ちゃんであることにひどく嫉妬する。

そしてついに、かまってもらえないことにしびれを切らしたくんちゃんは、おもちゃの新幹線で未来ちゃんのことを叩いてしまう。

当然、お母さんに見つかり、思いっきり叱られたくんちゃん。

突然やってきた「妹」に家族の愛情を奪われてしまったと感じ、泣きながら中庭に飛び出すと、そこは家ではない、不思議な空間だった。

ここはどこだろうと驚くくんちゃんの前に、「かつて王子だった」と名乗る謎の男が現れて…。

未来の未来
監督 細田守
脚本 細田守
公開日 2018年7月20日
アニメーション制作 スタジオ地図
上映時間 98分
キャスト 上白石萌歌 黒木華 星野源 麻生久美子 福山雅治
宮崎美子 役所広司 吉原光夫

「未来のミライ」感想

はい、公開直後から良くも悪くも非常に話題になった作品、「未来のミライ」です。

私の観終わった瞬間の率直な感想は、「ひいじいじ…かっこええ…。」でした。

様々なレビューサイトでことごとく批評されている今作ですが、正直私はそこまで駄作だとは思いませんでした。

むしろ「バケモノの子」に比べて、あんまりヘイトの溜まらない作品だったと思います。

というのも、私自身がくんちゃんと同じような経験をしたことがあったからかもしれません。

くんちゃんを好きになれるかどうか

私は2人姉妹の姉で、くんちゃんと同じく相当なかまってちゃんだったみたいです(笑)。

単純に、みんなから注目されていたいという欲求のあまり、やれ走り回るだの散らかすだの近所の子と喧嘩するだの、本当に今になって、お母さんとお父さんには世話を焼かせてしまったなあと反省してます…。

でも当時の私は、わざわざ両親を困らせようとしていると言うより、きっとただかまってほしくてやっていたんだろうなと。

相当昔の話にもかかわらず、どことなくその感情を覚えていた私は、今回のくんちゃんの言動にも「そういうこと、したくなっちゃうよね~(笑)」って思いながら見れました。

でも、他の方の感想を観ていると「くんちゃん好きくない!」「くんちゃんうざい!」みたいなコメントが多いです。

たぶん、くんちゃんを好きになれるかなれないかで、この映画の評価も大きく変わるんだと思います。

逆に私は、くんちゃんの両親があまり好きになれませんでした。

結婚してないですし、子育てを経験したことがないのも大きな原因かとは思うんですけど、それにしても私は思いました。

ほんとにこの2人仲良いの!?

くんちゃんの両親に対する疑問

(※以下少しネタバレあり)

お父さんはなんやかんや人任せのくせに一言多いし、お母さんもお母さんで「そんな事言う!?」みたいなこと結構ズバスバ言うし。

「父親って子供に興味ないと思ってた。」とかさ!んなわけないやろうと!父親ではないけど思わず思ってしまったよ!

それに2人子供を出産してもバリバリ編集者として仕事もするし、でも育児でめちゃめちゃ苦労してる!みたいな描写もないし…。

結局、「仕事と育児両立できてるスーパー母ちゃん」っていう印象しか残らないんですよね…。

「夫婦ってそういうもんだ。」って割り切れるほど、私に人生経験がないことが原因なのは重々承知なんですけど…。

にしてもいまいちこの夫婦に感情移入できなかったってのが残念でした。(やっぱり細田監督作品に登場するお母さん最強説)

ですが結局の所、家族に対する「理想」や「思想」は人それぞれで、「うちはうち、よそはよそ」というように、個性があるものだと思います。

くんちゃんの家族に対しても様々な意見がありますが、自分の価値観で考えず、「くんちゃんの家族」として第三者の目線から見てみると面白いと思います。

「自分ひとりでは自分にはなれない」家族の大切さを教えてくれる作品

なんだかくんちゃんとその家族についてばかり感想を述べてしまいましたが、この作品が投げかけるメッセージにはすごく心に響くものがありました。

遠い遠い歴史の中で、決して大きくはない「自分の家族の歴史」。

ちっぽけに思えるその小さな歴史のなかの本当に小さな小さな奇跡の積み重ねによって、今の自分がある。

そこに無駄なことなんてなくて、何気なく過ごしてきた日々や、悩んだり苦しんだり、必死に頑張ったこと全てに意味があるんだということ。

そういったことを思い出させてくれるメッセージを感じました。

正直、予告を観たときに想像する「大冒険!」的なことはほっとんどありませんが、そこにも、あえて「この話は広い世界を巻き込んだ話ではなく、くんちゃんという小さな主人公の、小さな世界で起きる、すごくすごく大きな話」であることを強調させるためなんだと思うと納得がいきます。

あんまり勝手にハードルを上げずに、自分の家族や、歴史、ご先祖様に思いを馳せながら観てほしい作品です。

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「ほんのささやかなことが積み重なって今の私達を形作っているんだ」

細田監督のアニメ映画オススメ作品まとめ

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いかがだったでしょうか?お気に入りの細田監督作品に出会えましたか?

上記でも述べましたが、細田監督の作品は非常に「観る人を選ぶ作品」だと思います。

それだけ、細田監督の作品には、監督が思い描く世界観が存分に発揮されていると思うからです。

作品のメッセージ性や背景を考えながら観てみると、また感想が変わるかもしれませんよ?

一度観たことがある作品も、今一度観直してみてはいかがでしょうか!

もちろん、最新作の「未来のミライ」もおすすめです!

「大きななにかに押しつぶされそうになった時」
「自分の世界から飛び出して前に進みたい時」
「人とのつながりに疲れてしまった時」
「自分の生きる道に迷ってしまった時」
「自分自身と向き合わなくてはならない時」
「周りのことが見えなくなってしまった時」

きっと何かヒントをくれる作品がきっとあるはず。ぜひ、御覧ください!